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鈴木 顕示 院長の独自取材記事

おどりば動物病院
(横浜市戸塚区/踊場駅)
最終更新日: 2025/04/15

ホームドクターとして動物の一生に携わっていきたいと話すのは、「おどりば動物病院」の鈴木顕示院長だ。横浜市営地下鉄ブルーライン・踊場駅から徒歩3分という利便性の高い場所で、20年以上も診療を続けているベテラン獣医師である。犬と猫を中心としたさまざまな動物種を対象に、些細な悩みの相談から慢性疾患の診療、外科手術まで幅広く対応している。スタッフと一丸となり地域に寄り添い、丁寧な診療を提供する鈴木院長に、同院の特徴や診療への思いを語ってもらった。(取材日2013年9月3日/更新日2025年1月31日)
ベテラン獣医師が診療を務める、地域に根差す動物病院
まずはこちらの特色を教えてください。

犬や猫、ウサギ、ハムスターなど、爬虫類と鳥を除いたほとんどの動物を診ています。何でも気軽に相談できる「ホームドクター」をめざして、常に先進の知識・技術を勉強し、幅広く診られるように努めています。それでも院内対応が難しい場合は、「地域の診療窓口」となり高度医療施設をご紹介。もちろん飼い主さんが「ここで診てほしい」とお考えなら、ご相談の上診療をお引き受けします。その場合は「当院ではここまで検査や治療ができます」「この場合は推測になりますが、この病気の可能性が高いです」と、できる範囲を明確にしながらの診療を大事にしていますね。また医学的根拠に基づきながらも、データだけで判断しないことも大切にしています。動物との触れ合いでわかることもありますから、「病気ではなく動物を診る」を意識しています。
どのような理由での受診が多いのでしょうか?
けがや病気、予防接種、しつけの相談など、いろいろな理由で来られています。最近は動物も長寿になってきたことから、腎臓病や心臓病といった慢性疾患が増えている印象です。慢性疾患も投薬や食事のアドバイスによって、院内解決できるように努めています。また生活習慣病の相談も多いですね。完治をめざせますし、完治は難しくても症状をコントロールし、生活の質が良い状態での長生きをめざせることも十分あり得ます。この時注意しているのが、同じ病気でも動物の年齢や体力によって、治療に対する考え方や選び方が変わるということ。多少の負担をかけても延命のために手術をするのか、緩和ケアで余生を楽に過ごせるようにすることをめざすのか、どの選択をするのか飼い主さんと一緒に考えながら治療を進めることを心がけています。
こちらでは通院での治療が基本だとお伺いしました。

ええ。入院施設もありますが、可能な限り自宅療養を推奨しています。入院すると環境の変化から、健康でも食欲をなくす子が多いからです。病気の子となればなおさら不安を感じているでしょう。治療後は自宅に戻るのが動物にとって一番だと考え、通院を基本としているのです。こうした点からも、治療には飼い主さんの協力が必要不可欠だと思っています。そこで当院ではまず飼い主さんとよく話し合い、理解を深めることを大切にしています。その際は決めつけはせずわかりやすい説明を心がけたり、理解されるまで何度でも繰り返したりと工夫をしていますね。ただ電話はどうも苦手でして……。私の話し方は電話だとぶっきらぼうに聞こえるそうです。受付担当の妻からは「あなたが電話に出ると印象が悪くなるから出なくていい」と駄目出しされるほど(笑)。そんな電話対応はスタッフがカバーしてくれるのでとても助かっています。
コミュニケーションを重視した手厚く優しい対応
スタッフへの信頼が厚いのですね。

当院の雰囲気が和やかなのは、明るく頼もしいスタッフのおかげです。皆落ち着いた様子なので、飼い主さんも話しやすいのだと思います。私には聞きにくいからと、スタッフに相談される方もいらっしゃるくらいです(笑)。それだけ皆さんに親しんでもらえているのはとてもありがたいですね。診療や健康以外のことでも、気軽に話しに来ていただけたら幸いです。また同様にうれしく思うのが、以前通っていただいていた飼い主さんが、また新しい家族を連れて来てくださった時です。当院での診療に納得や満足をしていただけたのだと感じられますからね。
とてもアットホームな雰囲気が伝わってきますね。
ありがとうございます。スタッフ同士のコミュニケーションもとても重視しています。その一環として作成したのが、スタッフ全員で共有する伝言ノートです。内容は診療のことや日々思っていることなどさまざまで、誰かが書いた文章にコメントを書き合うこともあります。こうして情報を共有し、皆で同じ方向を向いているからこそ、患者さんに対する誠実な対応につながるのではないでしょうか。ちなみに仕事のことだけではなく、今晩のおかずの相談といった雑談もしているんですよ(笑)。
ちなみに動物病院には定期的に来院することも大切でしょうか?

私はそう考えていますね。例えば飼い主さんが「うちの子、元気がない」と受診された時、私たちからだと十分元気に見えることがあります。ですが本来はもっと元気な子かもしれません。だからこそ病気のときだけではなく、元気なときにも様子を診させていただけると、いざという時により適切な診断につなげやすくなるのです。また最近はインターネットでご飯を購入される方も多いのですが、食事は年齢や体調に合わせて変えたほうが良い場合もあるので、自己判断せずに獣医師に相談していただきたいです。間違ったご飯をあげて、問題につながることは避けたいですからね。こうしたことから、特に用事がなくても散歩のついでに立ち寄っていただけたら幸いです。
飼い主が気さくに交流しやすい動物病院をめざして
先生が獣医師をめざしたきっかけは何ですか?

子どもの頃から動物好きだったことがきっかけですね。将来は牧場で働きたいと考えたことと、北海道やアメリカの開拓時代を描いたドラマを見ていたことから、酪農学園大学へ進学しました。入学後にハマったのは山登りで、卒業後にヒマラヤ山脈登山チームに参加したほど。しかし登山を終えて帰国した時には、牧場への就職口はありませんでした。臨床には携わりたいと考え、動物病院への就職を決意。そうして紹介されたのが神奈川県の動物病院でした。正直自分に合うか不安でしたが、何事も経験しないとわからない。まずは1歩先に進むことが大事だと考え、働かせてもらうことに。そこでは学ぶことがたくさんあると感じ、「何でもやります。教えてください」と休みなく働きました。週4回ほど夜間の当直をこなした時期もあり、この時の経験は1人で診療する責任感と決断力を磨く良い機会になりましたね。
こちらで開業された理由を教えてください。
開業するなら地元である横浜市港南区と似た、庶民的な雰囲気の町が良いと思っていました。自分のざっくばらんな性格に合いますし、動物のホームドクターとして飼い主さんと気さくに交流できると考えてのことです。しかし場所探しは苦労しましたね。当時は動物病院というと「汚れる」「うるさい」といったイメージが強く、スペースを貸してもらいにくかったのです。そんな中ようやく見つけたのが踊場にあるビルでした。その後隣が空くと聞いたので、移転し現在に至ります。以前より少し狭くなりましたが、飼い主さんの希望をよりくみ取りながら、気兼ねなく診療できるようになりました。例えば以前は日曜休診でしたが、現在は日曜や祝日も午前は開けています。急患も休診日でもお電話をいただければ対応可能です。
お休みの日の過ごし方をお聞かせください。

40歳すぎにサックスを始めて、ジャズ演奏を楽しんでいます。演奏は初挑戦なので教室に週1回通ったり、カラオケで自主練習したりしていますね。また大学時代から乗っているオートバイを今も楽しんでいます。妻を乗せてツーリングに行くこともあるんですよ。昔熱中した山登りも変わらず好きですが、本格的にやろうと思うと長期休みが必要なので、今は少し我慢しています。
最後に、これから動物を飼おうとされている方に何かアドバイスはありますか?
狂犬病ワクチンや混合ワクチン、フィラリアやノミ・ダニの予防を必ず行ってください。また少しでもおかしいと感じたら、すぐに動物病院へ連れて来てほしいです。例えば、食欲が落ちて体重が減っているときとかですね。ダイエットをしていないのにあばら骨が目立つようになっていたら要注意です。異常を感じたけどまずは様子を見ようと考える人もいますが、放置する時間が長いとその分病気は重くなり、治療期間は延びてしまいます。様子見で問題ないケースもありますが、できれば一度受診してください。何もなければ安心できますから。